血漿交換の置換液量計算|5%アルブミン・FFP

血漿交換の置換液量計算|5%アルブミン・FFP

体重とHtから循環血漿量を推算し、臨床的に決定済みの交換量(PV)とFFP割合から、5%アルブミン量(mL)、FFP量(mL)、FFP単位相当を換算する医療者向けツールです。

血漿交換の適応、置換液、交換量、FFP割合、実際の製剤構成は自動判断しません。患者状態、疾患、凝固因子補充の必要性、出血リスク、施設手順、輸血部門との確認を優先してください。

目次

5%アルブミン・FFP置換液量計算ツール

血漿交換 置換液量計算

5%アルブミン量とFFP量・単位相当を換算

kg
%
PV
%

計算結果

必要な項目を入力してください

5%アルブミン量
FFP量
FFP単位相当(120mL=1単位)
推算循環血漿量
目標交換量

式と注意点を確認

使用式
循環血漿量は、国内簡便式:体重(kg)÷13×(1−Ht/100)、またはKaplan式:0.065×体重(kg)×(1−Ht/100)。目標交換量 = 循環血漿量 × 交換量(PV)。FFP量 = 目標交換量 × FFP割合。5%アルブミン量 = 目標交換量 − FFP量。

FFP単位相当は120mLを1単位として必要量を切り上げた換算です。実際の製剤構成・容量・在庫は輸血部門と確認してください。5%アルブミンとFFPの選択・割合は疾患、凝固因子補充の必要性、出血リスク、施設手順に基づいて決定します。

結果の表示:FFP割合は0〜100%を入力できます。5%アルブミンとFFPは必要量をmLで表示し、FFPは120mLを1単位とする単位相当も併記します。FFP 0%ではFFP 0mL・0単位相当、FFP 100%ではアルブミン0mLと表示します。

計算の流れ

1.施設で採用している循環血漿量式を選ぶ

国内では次の2式が使われています。

  • 国内簡便式:体重(kg)÷13 ×(1 − Ht/100)
  • Kaplan式:0.065 × 体重(kg)×(1 − Ht/100)

日本アフェレシス学会の資料は両式を併記し、施設が採用している式を確認するよう説明しています。海外のガイドラインではKaplan式を基準とする場合が多く、両者の結果は同一ではありません。本ツールは式を自動選択しません。

体液過剰、浮腫、肥満、特殊な体格では、どちらの式でも実際の循環血漿量との誤差が大きくなり得ます。

2.目標交換量をPVで指定

目標交換量(mL)= 推算循環血漿量(L)× 1,000 × 交換量(PV)

一般に1回の交換量として1〜1.5PVが記載されることがありますが、疾患、装置、患者状態で異なります。本ツールには推奨初期値を置かず、決定済みのPVを入力します。

3.FFP割合で置換液量を分ける

必要FFP量(mL)= 目標交換量 × FFP割合/100
必要5%アルブミン量(mL)= 目標交換量 − 必要FFP量

4.FFPの単位相当を確認する

FFP単位相当 = 必要FFP量 ÷ 120mLを切り上げ

FFP-LR120(200mL全血由来)を1単位とする国内の容量換算です。実際に用意するFFP-LR120・240・480の製剤構成やバッグ数は、在庫や施設手順を踏まえて輸血部門と確認してください。5%アルブミンは必要量をmLで表示し、容器数へは換算しません。

置換液の選択は別に判断する

5%アルブミンは、凝固因子補充を必要としない多くの血漿交換で使用されます。国内2024年アルブミンガイドラインは神経疾患の血漿交換やABO不適合移植の抗体除去でアルブミン置換を支持しています。一方、国内2026年FFPガイドラインは後天性TTPでFFP置換を推奨し、アルブミン置換を推奨していません。出血リスクや凝固因子補充の必要性によってFFPを一部または全部に用いる場合もあります。疾患ごとの推奨と院内プロトコルを確認し、FFP割合をこの計算結果から決めないでください。

置換量のイメージ(参考):5%アルブミン250mLを2本で500mLです。FFP 4単位は、国内の容量換算(1単位=120mL)では約480mLとなり、どちらも約0.5Lの置換量です。これは容量だけを比較した例であり、5%アルブミンとFFPの作用・適応・有害事象が同等という意味ではありません。

参考:FibとFFP置換を考えるとき

治療前フィブリノゲン(Fib)値からFFP割合を一律に決める、確立した換算基準はありません。Fib値に加えて、活動性出血、最近の手術・腎生検などの侵襲的処置、抗凝固薬・抗血小板薬、血小板・PT-INR・APTT、交換間隔、原疾患を合わせて判断します。

  • 疾患として血漿補充が必要:後天性TTPや急性肝不全などでは、Fib値ではなく疾患別の推奨に基づいてFFPを選択する。
  • 出血リスクが低い:Fib値だけでFFPを自動選択しない。5%アルブミンを基本とする場面が多い。
  • Fib 80〜100mg/dL:非出血・抗凝固薬なしの成人では、血漿補充なしで出血増加を認めなかった単施設前向き観察研究がある。ただし、一般的な安全閾値を確立した研究ではない。
  • Fib 100〜200mg/dL+軽度〜中等度の出血リスク:2024年の小規模研究では、部分FFP置換として10〜15mL/kgが使用された。これは研究プロトコルの例であり、推奨量ではない。
  • 明らかな出血リスクがある:2025年BSHガイドラインは、最近の腎生検や肺出血など出血リスクが高い場合、部分FFP置換などによりFibを100mg/dL超に維持するよう提案している。
  • 大手術前後・活動性出血など高リスク:部分〜全量FFP置換を含めて個別に判断し、輸血部門・施設プロトコルと調整する。

10〜15mL/kgの部分FFP置換は、一般的な体格で1PVを交換する場合には概ね交換量の25〜40%程度となることがありますが、循環血漿量は体重・Ht・採用式で変わります。固定のFFP割合へ置き換えず、本ツールでmLを確認してください。

実施前に確認すること

  • 血漿交換の適応、交換量(PV)、置換液とFFP割合
  • 体重とHtの採取時点、浮腫・体液量
  • 5%アルブミン・FFPの製剤名、実容量、ABO適合性、必要量・実際の製剤構成
  • 融解時間、在庫、輸血部門・臨床工学部門との調整
  • アレルギー、クエン酸関連低Ca、TRALI、TACOなどの有害事象
  • バイタル、Ca、凝固因子、治療効果の再評価

本ページは医療者向けの参考換算ツールです。血漿交換の適応、置換液、交換量、FFP割合、治療回数を決定しません。晶質液併用や実際の製剤構成も自動計算しません。各施設の血漿交換・輸血手順、実際の製剤容量、最新の電子添文を優先してください。

医学レビュー・根拠確認:2026年8月28日(RenalNote編集責任医師)

参考文献

  1. Kaplan AA. A simple and accurate method for prescribing plasma exchange. ASAIO Trans. 1990;36:M597–M599.
  2. 日本アフェレシス学会:アフェレシス療法マニュアル関連資料(推定血漿量計算式)
  3. 日本輸血・細胞治療学会:科学的根拠に基づいたアルブミン製剤の使用ガイドライン 第3版(2024)
  4. 日本輸血・細胞治療学会:科学的根拠に基づいた新鮮凍結血漿(FFP)の使用ガイドライン 第3版(2026)
  5. PMDA:5%アルブミン製剤 電子添文
  6. 日本赤十字社:輸血用血液製剤資料表
  7. 日本赤十字社:新鮮凍結血漿の貯法・有効期間・単位換算に関する案内
  8. British Society for Haematology. Guidelines on the use of therapeutic apheresis in clinical practice. 2025.
  9. Therapeutic Plasma Exchange Using Membrane Plasma Separation. Clin J Am Soc Nephrol. 2020.
  10. Shemin D, et al. A lower fibrinogen threshold does not lead to increased bleeding risk in patients receiving therapeutic plasma exchange: A prospective single-center analysis. Transfusion. 2024;64:1076–1082.
  11. Zrimsek M, et al. A Pilot Study on the Replacement of Fibrinogen with Fibrinogen Concentrates During Therapeutic Plasma Exchange with Mild to Moderate Bleeding Risk. J Clin Med. 2024;13:7662.
  12. Zantek ND, et al. Hemostasis management and therapeutic plasma exchange: Results of a practice survey. J Clin Apher. 2018;33:604–610.
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この記事を書いた人

RenalNote編集部のアバター RenalNote編集部 内科医|RenalNote編集責任者

都内の総合病院に勤務する内科医。総合内科・腎臓内科での勤務経験をもとに、RenalNoteの記事企画・編集・医学レビューを担当しています。国内外のガイドラインと国内電子添文を照合し、臨床で素早く参照できる形に整理します。

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